研究プロジェクトの概要
「dharmadhatu(法界)概念の研究―初期大乗経典・古訳の分析を中心として―」
「真理とは何か」―これは人間にとって普遍的な問いであり、それゆえ人文学に携わるものにとって正面から扱うべき問いである。本研究では仏教における「真理」を表す重要な用語、「法界(ダルマダートゥ)」についてその概念をサンスクリットおよび古い時代の漢文翻訳(古訳)を参照して検討する。その背景には近年、古訳の基礎研究が進展し、サンスクリットのデータ入力が進んだため、比較検討が従来よりも容易になったためである。文献に基づきながら、国際的に連携して研究を進め、仮説を検証していく。
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石井 公成(駒澤大学仏教学部 名誉教授) researchmap
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Rhodes, Robert(大谷大学文学部 非常勤講師・Eastern Buddhist Society 編集主任) researchmap
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庄司 史生(立正大学仏教学部 准教授) researchmap
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佐々木 大悟(龍谷大学短期大学部 准教授) researchmap
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伊久間 洋光(大正大学綜合仏教研究所 研究員) researchmap
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Conway, Michael(大谷大学文学部 准教授) researchmap
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宮崎 展昌(鶴見大学仏教文化研究所 准教授) researchmap
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クリス・ジョーンズ(英国 ケンブリッジ大学)
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ヤクブ・ザモルスキー(ポーランド クラクフ大学)
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アーネスト・ブルースター(米国 アイオナ大学)
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范慕尤(中国 上海交通大学)
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李子捷(中国 西北大学)
法界 / 大乗仏教 / 十地経 / 如来秘密経 / 初期大乗経典
本 Web サイトについて
本サイトの主たる目的は、大乗経典の諸本対照テキストを Web上で提示することである。
大乗経典について文献学的な解明を試みようとする場合、現存する諸本テキストについて比較対照することは、研究基盤となる基礎的な部分である。
サンスクリット語やチベット語訳、漢訳といった、異なる言語のかたちで伝わる諸本を比較対照することにより、そららの異同を明らかにし、それをもとにテキストあるいは思想などの変遷を探ることもできる。
サンスクリット語本には、典籍の原語を伝えるという点で、他本には及ばないこの上ない価値があるものの、現存するサンスクリット語写本の多くは、当該テキストが成立してからかなり時代を経て書写されたものである。
一方、漢訳諸本やチベット語訳本については、翻訳年代がおおよそ判明している場合が多く、それらはサンスクリット語の現存写本よりも年代が遡ることが多いので、典籍のより古い姿を伝える点で貴重なテキストである。
とりわけ、漢訳諸本が複数種類残っている場合に、典籍が時代を経るにしがって内容が変容する様を細かく読み取れることもある。
従来は、主に出版物として公表されることが多かった大乗経典の諸本対照テキストであるが、本サイトでは、Web フレームワークを活用するかたちで、Web 上に提示することを試みる。 従来の出版物では難しかった、コンピュータによる検索機能などを活用することで、Web 上で諸本対照テキストを提示し、共有することが、大乗経典の文献学的研究にどのように役立てることをできるのかを共同研究者や利用者らとともに模索していきたいと考える。
本サイトの枠組みは、主に研究分担者の宮崎が作成したものであり、仏教学を専門する研究者が試みに構築したものである。
具体的には、Python で実装された Web アプリケーションフレームワークである Django、および、フロントエンドライブラリの Bootstrap を主に活用した。
バックエンドのデータベースには PostgreSQL を利用し、Webサーバシステムには、nginx および Gunicorn を利用している。
本サイトの構築にあたっては、種々のモジュールや Web 上で得られた情報・知見を様々なかたちで利用させていただいた。
同時に、下記のように、データの入力作業や確認作業にご協力いただいた人々の協力があって本サイトは成り立っている。ここに記して衷心より感謝申し上げる。
本サイトで公開しているデータの入力および確認作業にご協力いただいた方は以下のとおり。ご協力に心より感謝申し上げます。
- Daśabhūmika(作業統括責任者:宮崎)
- 石村 克 氏
- 松村 幸彦 氏
- 渡辺 亮 氏
- Lin Chiawei 氏(竺法護訳データ提供;指導教官:Michael Radich 教授)
- Larger Sukhāvatīvyūha(作業統括責任者:佐々木)
- 山名 深 氏
- 安川 真由 氏
- 福間 美華 氏
- Saddharmapuṇḍarīka(作業統括責任者:伊久間)
- 石村 克 氏
- 松村 幸彦 氏
- 渡辺 亮 氏
- 英語版サイトの確認:Michael Conway
本サイトは、現在、科研プロジェクトの Web サイトとしても開設している。 現在は、科研プロジェクトでの研究成果や情報などを発信することを主たる目的としているが、 科研プロジェクト終了後も見据えて、より広いコンテンツの作成・公開も目指していきたいと考えている。 今後の方針については、この Web サイトなどで公表していければと考えている。
本プロジェクトに関するお問い合わせや Web サイトの不具合などに関しては下記までご連絡ください。
(ただし、返信にはお時間をいただく場合がございます。)