仏告阿逸菩薩。若言是実当爾。若有慈心於仏所者大喜。実当念仏。天下久久。乃復有仏耳。今我於苦世作仏。所出経道。教授洞達。截断狐疑。端心正行。抜諸愛欲。絶衆悪根本。遊歩無拘。典総智慧。衆道表裏。攬持維綱。照然分明開視五道。決正生死泥洹之道。仏言。若曹従無数劫以来。不可復計劫。若曹作菩薩道。欲過度諸天人民及蜎飛蠕動之類。已来甚久遠。人従若得道度者無央数。至得泥洹之道者亦無央数。若曹及八方上下。諸天帝王人民。若比丘比丘尼。優婆塞優婆夷。若曹宿命。従無数劫已来。展転是五道中。死生呼嗟。更相哭涙。転相貪慕。憂思愁毒。痛苦不可言。至今世死生不絶。乃今日与仏相見共会値。是乃聞阿弥陀仏声甚快善。

(仏を敬い、念ぜよ) 仏は阿逸菩薩に仰った。 「おまえの言うことは事実であり、そのとおりだ。おまえが仏(わたくし)に対して敬いの気持ちを持つのは、たいへん喜ばしいことだ。どうか仏を念じなさい。久しぶりにやっとまた世界に仏があらわれたのだ。いま私は(この)苦しみの世界で仏となり、(自ら考え)出した教義を無碍自在に教え、(人々の)疑いを断ち、心と行いを正し、もろもろの愛欲を取り去り、諸悪の根本を断ち、融通無碍に(世界を)歩き回り、智慧を把握している。あらゆる境涯の表裏は、根本を掌握することで、すっかり明らかになる。(仏は)五種の境涯を明らかに示して、生死輪廻の道と涅槃への道とをきちんと区別する。」 (阿弥陀仏の名を聞き、輪廻を厭い、心身を清めよ) 仏は仰った。 「おまえたちは、無数劫以来、数え切れないほどの劫の間、菩薩道を修め、神々や人々や飛ぶ虫・這う虫など(一切衆生)を(輪廻から)救済しようと実に長い間願ってきた。おまえ(たち)から(仏)道を学び、(輪廻を)度脱した人間は無数にいる。涅槃にいたる道を得るに至った者もまた無数だ。 おまえたちと八方上下の神々・帝王・人々あるいは比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷たちは、過去世から無数劫以来ずっと、これら五種の境涯を転々としてきた。(家族と)死に別れる時、互いに声を出して泣き、涙を流し、互いに恋々として、深く憂い愁いて、言い表せないほど苦しむ。(こうして)今世まで絶えず輪廻しつづけ、やっと今日仏にまみえ、たまたま出会えた。こうしてやっと『阿弥陀仏』の呼び名を聞くことができたのは、とてもすばらしいことだ。

仏告阿逸菩薩。若言是実当爾。若有慈心於仏所者。大喜実当念仏。天下久久。乃復有仏耳。今我於苦世作仏所出経道。教授洞達。截断狐疑。端心正行。抜諸愛欲。絶衆悪根本。遊歩無拘。典総智慧。衆道表裏。攬持維綱。昭然分明開示五道。決正生死泥洹之道。仏言。若曹従無数劫以来。不可復計劫。若曹作菩薩道。欲過度諸天人民。及蜎飛蠕動之類。以来甚久遠。人従若得道度者無央数。至得泥洹之道者亦無央数。若曹及八方上下。諸天帝王人民。若比丘比丘尼優婆塞優婆夷。若曹宿命従無数劫以来。展転是五道中。死生呼嗟。更相哭涙。転相貪慕。憂思愁毒。痛苦不可言至今世死生不絶。乃至今日与仏相見共会値是乃聞無量清浄仏声甚快。善哉

仏告弥勒。汝言是也。若有慈敬於仏者。実為大善。天下久久乃復有仏。今我於此世作仏。演説経法宣布道教。断諸疑網。抜愛欲之本。杜衆悪之源。遊歩三界無所拘閡。典攬智慧衆道之要。執持綱維昭然分明。開示五趣度未度者。決正生死泥洹之道。弥勒当知。汝従無数劫来修菩薩行。欲度衆生其已久遠。従汝得道至于泥洹不可称数。汝及十方諸天人民一切四衆。永劫已来展転五道。憂畏勤苦不可具言。乃至今世生死不絶。与仏相値聴受経法。又復得聞無量寿仏。快哉甚善