無量寿経 Larger Sukhāvatīvyūha
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viniścayakuśalāḥ kṣāntisauratyabahulā anīrṣukāḥ parasaṃpattyaprārthanatayā viśāradā dharmakathāsv atṛptā dharmaparyeṣṭau vaiḍūryasadṛśāḥ śīlena ratnākarāḥ śrutena mañjusvarā mahādharmadundubhighoṣeṇa mahādharmabherīṃ parāghnanto mahādharmaśaṅkham apūrayanto mahādharmadhvajam ucchrāpayanto dharmolkāṃ prajvālayantaḥ prajñāvilokino 'saṃmūḍhā nirdoṣāḥ śāntakhilāḥ śuddhā nirāmagandhā alubdhāḥ saṃvibhāgaratā muktatyāgāḥ prasṛtapāṇayo dānasaṃvibhāgaratā dharmāmiṣābhyāṃ dāne 'matsariṇo 'saṃsṛṣṭā anuttrastamānasā virakta dhīrā vīrā dhaureyā dhṛtimanto hrīmanto 'sādṛśyā nirargaḍāḥ prāptābhijñāḥ suratāḥ sukhasaṃvāsā arthakarā lokapradyotā nāyakā nandīrāgānunayapratighaprahīṇāḥ śuddhāḥ śokāpagatā nirmalās trimalaprahīṇā vikrīḍitābhijñā hetubalikāḥ praṇidhānabalikā ajihmā akuṭilāḥ //
ye te bahubuddhakoṭīnayutaśatasahasrāvaropitakuśalamūlā utpāṭitamānaśalyā apagatarāgadveṣamohāḥ śuddhāḥ śuddhādhimuktā jinavarapraśastā lokapaṇḍitā uttaptajñānasamudāgatā jinastutāś cittaudbilyasamanvāgatāḥ śūrā dṛḍhā asamā akhilā atulā arajasaḥ sahitā udārā ṛṣabhā hrīmanto dhṛtimantaḥ smṛtimanto matimanto gatimantaḥ prajñāśastrapraharaṇāḥ puṇyavanto dyutimanto vyapagatakhilā malaprahīṇā abhiyuktāḥ sātatyeṣu dharmeṣu //
かれらは、十万・百万・千万の多くの仏たちのもとで善根を植え、高慢の矢を引きぬき、貪欲と瞋恚と愚癡とを離れ、清浄であり、清浄な信解をもち、最勝の勝者たちに賞讃され、世間の賢者であり、灼熱した智に到達し、勝者たちに讃美される。心の歓悦をそなえ、勇気があり、強固であり、等しいものがなく、頑迷でなく、比べるものがなく、塵がなく、融和であり、高大であり、雄牛〔さながら〕であり、恥じらいがあり、堅固であり、憶念があり、思慮があり、了解をもち、智慧の武器で攻撃し、福徳があり、光彩があり、頑迷を離れ、垢を捨て去り、もともろの常住の法に専心している。
摧滅嫉心不望勝故。専楽求法心無厭足。常欲広説志無疲倦。撃法鼓。建法幢。曜慧日。除痴闇。修六和敬。常行法施。志勇精進心不退弱。為世灯明最勝福田。常為師導等無憎愛。唯楽正道無余欣慼。抜諸欲刺以安群生。功徳殊勝莫不尊敬。滅三垢障遊諸神通。因力縁力。意力願力。方便之力。常力善力。定力慧力。多聞之力。施戒忍辱。精進禅定。智慧之力。正念止観諸通明力。如法調伏諸衆生力。如是等力一切具足。身色相好功徳弁才。具足荘厳無与等者。恭敬供養無量諸仏。常為諸仏所共称歎。究竟菩薩諸波羅蜜。修空無相無願三昧不生不滅諸三昧門。遠離声聞縁覚之地。
最勝丈夫其心正直。無有懈怠能善修行。於諸見中善巧決定。柔和忍辱無嫉妬心。論法無厭求法不倦。常勤演説利益衆生。戒若琉璃内外明潔。善聞諸法而為勝宝。其所説言令衆悦伏。以智慧力建大法幢。吹大法螺。撃大法鼓。常楽勤修建諸法表。由智慧光心無迷惑。遠衆過失亦無損害。以淳浄心離諸穢染。常行恵施永捨慳貪。禀性温和常懐慚恥。其心寂定智慧明察。作世間灯破衆生闇。堪受利養殊勝福田。為大導師周済群物。遠離憎愛心浄無憂。勇進無怖為大法将。了知地獄調伏自他。利益有情抜諸毒箭。為世間解為世間師。引導群生捨諸愛著。永離三垢遊戯神通。因力。縁力。願力。発起力。世俗力。出生力。善根力。三摩地力。聞力。捨力。戒力。忍力。精進力。定力。慧力。奢摩他力。毘鉢舎那力。神通力。念力。覚力。摧伏一切大魔軍力。并他論法力。能破一切煩悩怨力。及殊勝大力。威福具足相好端厳。智慧弁才善根円満。目浄脩広人所愛楽。其身清潔遠離貢高。以尊重心奉事諸仏。於諸仏所植衆善本。抜除憍慢離貪瞋痴。殊勝吉祥応供中最。住勝智境赫奕慧光。心生歓喜雄猛無畏。福智具足無有滞限。但説所聞開示群物。随所聞法皆能解了。於菩提分法勇猛勤修。空無相願而常安住。及不生不滅諸三摩地。行遍道場遠二乗境。
如是菩薩遍満仏刹。吹法螺。豎法幢。撃法鼓。然法灯。離過清浄無迷無失。手中出生花鬘瓔珞塗香粖香一切供具。持往百千倶胝那由他仏刹。供養諸仏。復於手中別出宝花。散虚空中化成宝蓋広十由旬。或二十由旬。乃至百千由旬。遍諸仏刹。経須臾間還来本国。無愛無著。無取無捨。身心寂静
īdṛśā ānanda tasmin buddhakṣetre bodhisattvā mahāsattvāḥ saṃksiptena / vistareṇa punaḥ sacet kalpakoṭīnayutaśatasahasrasthitikenāpy āyuṣpramāṇena tathāgato nirdiśed na tv eva śakyaṃ teṣāṃ satpuruṣāṇāṃ guṇaparyanto 'dhigantum / na ca tathāgatasya vaiśāradyopacchedo bhavet / tat kasya hetoḥ / ubhayam apy etad ānandācintyam atulyaṃ yad idaṃ teṣāṃ ca bodhisattvānāṃ guṇās tathāgatasya cānuttaraṃ prajñāpratibhānam //
阿難。彼諸菩薩。成就如是無量功徳。我但為汝略言之耳。若広説者。百千万劫不能窮尽
阿難。我今略説彼極楽界所生菩薩摩訶薩衆真実功徳悉皆如是。阿難。仮令我身住寿百千億那由他劫。以無礙弁欲具称揚彼諸菩薩摩訶薩等真実功徳不可窮尽。阿難。彼諸菩薩摩訶薩等。尽其寿量亦不能知
仏告阿難。此諸菩薩。我土五濁之所無有。経百千倶胝劫説不能尽
仏告阿難。吾今此土。所有菩薩摩訶薩。已曽供養無量諸仏植衆徳本。命終之後。皆得生於極楽世界。
仏告阿逸菩薩等。諸天帝王人民。我皆語汝曹。諸欲往生阿弥陀仏国者。雖不能大精進禅定持経戒者。大要当作善。一者不得殺生。二者不得盗窃。三者不得婬泆姦愛他人婦女。四者不得調欺。五者不得飲酒。六者不得両舌。七者不得悪口。八者不得妄言。九者不得嫉妬。十者不得貪餮。不得心中有所慳惜。不得瞋怒。不得愚痴。不得随心嗜欲。不得心中悔。不得狐疑。当作孝順。当作至誠忠信。当信受仏経語。深当信作善後世得其福。奉持如是。其法不虧失者。在心所願。可得往生阿弥陀仏国。至要当斎戒一心清浄。昼夜常念。欲往生阿弥陀仏国。十日十夜不断絶。我皆慈哀之。悉令生阿弥陀仏国。
仏は阿逸菩薩などと神々・帝王・人々に仰った。
「私はおまえたち皆に言う。阿弥陀仏国に生まれたいと思う者は、精進や禅定を大いにしたり、教えに基づく戒を守ることができなくても、少なくとも(次の)善業だけはなさねばならぬ。(すなわち、)一、殺生をしてはならない;二、盗みをしてはならない;三、他人の婦女と淫らな関係をもち姦通してはならない;四、騙してはならない;五、酒を飲んではならない;六、二枚舌を使ってはならない;七、粗悪なことを言ってはならない;八、うそを言ってはならない;九、嫉妬してはならない;十、貪欲であってはならない。物惜しみしてはならない。怒ってはならない。愚かであってはならない。欲望にまかせて享受してはならない。途中で悔やんではならない。疑い深くてはいけない。(親に)孝行で従順であるべきだ。まごころと誠実さを実践すべきだ。仏の教えの奥深い言葉を信じるべきだ。善行をすれば後の世でその果報を得るということを信じるべきだ。このようにこれらの法をきちんと守れば、願い通りに、阿弥陀仏国に生まれることができる。少なくともひたすらに清らかに(八)斎戒をまもり、昼も夜も絶えず、ひたすらに阿弥陀仏国に生まれたいと念ぜよ。十日十夜絶えまなく(そのことを思念するならば)、私(!)は彼らをみな哀れんで、すべて阿弥陀仏国に生まれさせる。」
仏告阿逸菩薩等諸天帝王人民。我皆語若曹。諸欲生無量清浄仏国。雖不能大精進禅持経戒者。大要当作善。一者不得殺生。二者不得盗窃。三者不得婬妷犯愛他人婦女。四者不得調欺。五者不得飲酒。六者不得両舌。七者不得悪口。八者不得妄言。九者不得嫉妬。十者不得貪欲。不得心有所慳惜。不得瞋怒。不得愚痴。不得随心嗜欲。不得心中中悔。不得狐疑。当作孝順。当作至誠忠信。当作受仏経語深。当信作善後世得其福。奉持如是其法不虧失者。在心所願可得往生無量清浄仏国。至要当斎戒一心清浄昼夜常念欲往生無量清浄仏国。十日十夜不断絶。我皆慈愍之。悉令生無量清浄仏国。
仏言。世間人以欲慕及賢明。居家修善為道者。与妻子共居在恩好愛欲之中。憂念苦多家事怱務。不暇大斎一心清浄。雖不能得去家棄欲。有空閑時。自端心意。念身作善専精行道。十日十夜者。殊使不能爾自思惟熟挍計。欲度脱身者。下当絶念去憂。勿念家事。莫与婦人同床。自端正身心断於愛欲。一心斎戒清浄。至意念生阿弥陀仏国。一日一夜不断絶者。寿終皆往生其国。在七宝浴池華蓮中化生。可得智慧勇猛。所居七宝舎宅。自在意所欲作為。可次如上第一輩。仏語阿逸菩薩言。諸八方上下。無央数諸天人民。比丘僧比丘尼優婆塞優婆夷。往生阿弥陀仏国。衆等大会。皆共於七宝浴池水中。都共人人。悉自於一大蓮華上坐。皆悉自陳道徳行善。人人各自説其前世宿命求道時。持戒所作善法。所従来生本末。其所好憙経道。知経智慧。所施行功徳。従上次下転皆遍已。知経有明不明。智有深浅大小。徳有優劣厚薄。自然之道別知。才能智慧健猛。衆相観照。礼義和順。皆自歓喜踊躍。智慧有勇猛。各不相属逮。仏言。其人殊不予作徳。為善軽戯。不信使然。徒倚懈怠。為用可爾。至時都集説経道。自然迫促。応答遅晩。道智卓殊超絶。才能高猛。独於辺羸。臨事乃悔。悔者已出。其後当復何益。但心中悷悢。慕及等爾
仏は仰った。
「世間の人々は賢人たちに倣い(その境地に)達したいと願い、家にいながら善行や仏道を修めるが、家族とともに居るので、愛情・愛欲から離れられず、憂い・苦しみも多く、家庭の事柄にせきたてられていて、ひたすらに清らかに本格的な(八)斎戒をする時間がない。家を捨て、欲を捨てることはできないが、暇なときに、心をきちんとただし、思念と身体で善行をなせ。十日十夜ひたすら道を修めれば、とりわけ立派だ。(しかし)もしこう出来ないときは、考えて、よくよく比べてみよ。度脱したいなら、最低でも(?)、雑念と憂いを捨てよ。家庭の事柄を考えるな。妻と同衾するな。身と心をきちんとただし、愛欲を断ち、ひたすらに清らかに(八)斎戒を保ち、まごころから阿弥陀仏国に生まれることを念じて、一日一夜絶えまなく(そのことを思念するならば)、寿命が尽きてその国に生まれ、七宝でできた池(に生える)蓮の花のなかにすっと生じ、智慧と勇敢さを得ることができる。(彼らが)住む七宝でできた住居は、彼らの思うがままである。上述の第一種の人々よりは一段劣るが似たようになれる。」
(往生者たちが自らを語る)
仏は阿逸菩薩に仰った。
「八方上下の無数の(仏国の)神々や人々や比丘たち、比丘尼、優婆塞、優婆夷が阿弥陀仏国に生まれる。多くの者たちが、みな七宝でできた池に大いに集まる。みなそれぞれ大蓮華の上に坐り、みな自分の行った道徳や善業について語る。人々は、それぞれ前世、過去世にさとりを求めていた時、守った戒、行った善法、往生に至った経緯、好んだ(仏の)教え、知っている教えの智慧、行った功徳を語る。上から下まで順番に一通りみな(語る)と、教えに対する理解の程度、智慧の深浅、徳の優劣の違いが分かり、自ずと才能・智慧・勇ましさをランク付けできる(?)。(生まれた人たちが?)みな互いにじっと見合い、礼儀を守り、(しかも)和やかで、みな飛び上がるほど喜ぶ。智慧のある者、あるいは勇敢な者、それぞれ程度が異なる(?)。」
(劣った往生者)
仏は仰った。
「人が前もって功徳善行をなしたことが全くなく、(功徳善行をなす)ことを馬鹿にし、信じず、かえってぶらぶらし、なまけていたら、いいはずがあろうか。(阿弥陀仏国に)至った時、みんな集まり、教えを語りあい、(その人も)当然促されるが、応答がしどろもどろ。さとりへの智慧に関して傑出し群を抜き、優れた才能をもつ者が(いる中で)(?)、(その人は)ひとり隅で小さくなり、その場になって後悔する。後悔しても、すでに(阿弥陀仏国に)至っているのだから、いまさらどうしようもない。ただ心の中はひねくれ荒くれ、(他の人たちと)同等になりたいと願うばかり。」
仏言。世間人欲以慕及賢明。居家修善為道者。与妻子共居。在恩好愛欲之中憂念。若多家事怱務。不暇大斎戒一心清浄。雖不能得離家。有空閑時自端正心。意念諸善専精行道。十日十夜殊使不能。爾自思惟熟計。欲度脱身者。下当絶念去憂。勿念家事。莫与女人同床。自端正身心断愛欲。一心斎戒清浄。至意念生無量清浄仏国。一日一夜不断絶者。寿終皆得往生其国。在七宝浴池蓮華中化生。可得智慧勇猛。所居七宝舎宅。自在其意所欲作為。可次如上第一輩。仏語阿逸菩薩言。諸八方上下。無央数諸天人民。比丘僧比丘尼。優婆塞優婆夷。其往生無量清浄仏国衆等大会。皆共於七宝浴池中。都共人人。悉自於一大蓮華上坐。皆自陳道徳善。人人各自説其前世宿命求道時。持経戒所作善法。所従来生本末。其所好喜経道。知経智慧。所施行功徳。従上次下転皆遍。以知経有明不明。有深浅大小。徳有優劣厚薄。自然之道別知。才能智慧猛健。衆相観照礼義和順。皆自歓喜踊躍。智慧有勇猛。各不相属逮。仏言。其人殊不予益作徳。為善軽虧。不信之然。徙倚懈怠。為用可爾。至時都集説経行道。自然迫促。応答遅晩。道智卓殊超絶。才妙高猛。独於辺羸。臨事乃悔。悔者已出。其後当復何益。但心中悷&T013771;慕及等耳◎
仏言。阿弥陀仏国。諸菩薩阿羅漢衆等。大聚会自然都集。拘心制意。端身正行。遊戯洞達。倶相随飛行。翻輩出入。供養無極。歓心喜楽。共観経行道。和好久習。才猛智慧。志若虚空。精進求願。心終不復中徊。意終不復転。終無有懈極時。雖求道。外若遅緩。内独急疾。容容虚空。適得其中。中表相応。自然厳整。撿歛端直。身心清潔。無有愛欲。無所適貪。無有衆悪瑕穢。其志願皆各安定殊好。無増欠減。求道和正。不誤傾邪。准望道法。随経約令不敢違蹉跌。若於八方上下。無有辺幅。自在所欲。至到無窮無極。咸然為道。恢廓及曠蕩。念道無他之念。無有憂思。自然無為。虚無空立。恢安無欲。作得善願。尽心求索。含哀慈愍。精進中表。礼義都合。通洞無違。和順副称。褒羅表裏。過度解脱。能升入泥洹。長与道徳合明。自然相保守。快意之滋真滋。真了潔白。志願無上。清浄之安定。静楽之無有極。善好無有比。巍巍之燿照。燿照亘開達明徹。自然中自然相。然之有根本。自然成五光。五光至九色。九色参徊転。数百千更変。欝単之自然。自然成七宝。横攬成万物。光精参明倶出好。甚姝無有極。其国土甚若此。何不力為善。念道之自然。著於無上下。洞達無辺幅。捐志虚空中。何不各精進。努力自求索。可得超絶去。往生阿弥陀仏国。横截於五悪道。自然閉塞。升道之無極。易往無有人。其国土不逆違。自然之随牽。何不棄世事。行求道徳。可得極長生。寿無有極。何為著世事。譊譊共憂思無常。
仏は仰った。
「阿弥陀仏国の菩薩・阿羅漢たちが大集会をするのに、みな自ずと集まる。(彼らは)こころを制しており、行いもきちんとしており、自由自在に遊び楽しみ、みな連れだって飛んできて、大挙して出入りし、(互いに?)最高に供養し、喜び楽しむ。みな一緒に教えを観想し(?)、仏道を行い、中睦まじく、ずっと親しくしていて(?)、才能が優れ、智慧あり、空のように虚心で(ひたすら)精進して願(の成就)をめざし、途中で志を翻すことは決してなく、意志が揺らぐことは決してなく、疲れることを全く知らない。その時、さとりを求めているとはいえ、外見はゆったりとしている。内心は逆にじりじりしている。虚空(のように)悠然として(?)、ちょうどほどよく、外見と心の中が呼応している。そのままで(外見は)きちんとしていて、きりりと引き締まっていて、端正。身も心も清らかで、欲望がなく、好き嫌いがなく、あらゆる悪も穢れもない。彼らの願いはみなゆるがず、すばらしく、ふくらんだりしぼんだりせず、さとりを求めて、穏和でまっすぐ、誤ったり歪んだりしない。さとりへの法を目指して、教えや決まりに従い、それらに違い踏み外すようなことはしない。あたかも法律に従うように。
(彼らは)八方上下のはてしない所までさまよい、行きたいところは思いのままに、果てしなく極まりなく行き着く。(彼らは)みな仏道を実践し、ひろびろとした領域で(さとりに)達したいと思い、はるかに広がる領域で道(さとり)を念じ、他に思いはなく、憂いもない。あるがままで人為を働かさず、(一切は)虚無にして空(という達観)に身を置き、心が安らかで欲がない。立派な願いを立てたら、懸命に(成就しようと)求める。哀れみ・慈しみを懐いて、精進する。考えと行動が、作法(礼)と正しい軌範(義)に合致し、一貫してもとることなく、穏やかで、(礼と義に?)合致していて、(礼と義が?)言うこととなすことのすべてに及んでいる(?)。(輪廻を)越えて解脱し、さらに進んで涅槃に入り、明るさという点において覚りそのものと永久に等しくなり、あるがままに(その覚りそのもの)を保ち続けることができる。思いのままで、嬉々として、偽りがなく、清純である。願いはこの上なく(高く)、清浄で、ゆるがず、静まっている。
(輝く阿弥陀仏国)
(阿弥陀仏国の)心地よさは極まりなく、喩えようのないほど素晴らしい。光が勢いよく高く広く輝き照らし、自然のもつあるがままの姿をあまねく輝き照らす(?)。自然には根本があり(?)、(それが)自ずから五(色)の光になり、五(色)の光は九色になり、九色(の光)が交じり合って回転し、あまたに変化する。最高の自然の在り方から(?)、自ずと七宝ができ、(さらに)縦横に万物が造られ、(それらの)光が交じり合って、輝きを一斉に放つ。きれいで、この上なくすばらしい。
(往生は易しい)
その国土がこんなにもすばらしいのに、なぜ、努力して善行をなし、(仏)道の本来そのまま(の理)が、四方上下の無限のかなたまであらわれ、行きわたっていることを念じ、志を虚空の中に向けよう(?)としないのか?どうして皆精進し、努力し、求めようとしないのか?(この世を)はるかに超えて、阿弥陀仏国に往生し、五悪(道)を越えることができる。悪道は自然に塞がれ、(仏)道の極みまで昇りつめる。(その仏国土へは)往き易いのに、誰も(往く)人はいない。その(仏)国へは拒むものとてなく、そのままで引き寄せられるのである。どうして俗事を捨て、仏道の恩恵を求めようとしないのか?(そうすれば)最高に長生きし、寿命と楽しみは極まることがない。どうして俗事に執着して、がやがやと争い、皆で無常を憂うのか?」
◎仏言。無量清浄仏国。諸菩薩阿羅漢衆等。大道聚会自都集。拘心制意端身正行。遊戯洞達。倶相随飛行。幡輩出入。供養無極。歓心喜楽。楽共観経行道。和好文習。才猛智慧。志若虚空。精進求願。心終不復中迴意終不復転。終無有懈極時。雖求道外若遅緩。内独駃急疾。容容虚空中。適得其中。中表相応。自然厳整。撿斂端直。身心浄潔。無有愛欲有所適貪。無有衆悪瑕穢。其志願皆安定殊好。無増欠減。求道和正。不誤傾邪。准望道法。随経約令。不敢違失蹉跌。若於縄墨。遊於八方上下。無有辺幅。自在所欲。至到無窮無極。咸然為道。恢廓慕及曠蕩。念道無他之念。無有憂思。自然無為。虚無空立。淡安無欲。作徳善願。尽心求索。含哀慈愍。精進中表。礼義都合。通洞無違。和順副称。苞羅表裏。過度解脱。敢昇入於泥洹。長与道徳合明。自然相保守。快意之滋滋真。真了潔白。志願高無上。清浄定安。静楽之無有極。善好無有比。巍巍之燿照照。一旦開達明徹。自然中自然相。自然之有根本。自然成五光至九色。五光至九色参迴転。数百千更変。最勝之自然。自然成七宝。横攬成万物。光精参明倶出好。甚姝無有極。其国土甚姝好若此。何不力為善。念道之自然。著於無上下。洞達無辺幅。捐志虚空中。何不各精進。努力自求索。可得超絶去。往生無量清浄阿弥陀仏国。横截於五道。悪道自閉塞。昇道之無極。易往無有人。其国土不逆違。自然之随牽。何不棄世事行求道徳。可得極長生。寿楽無有極。何為用世事。饒共憂無有常。
仏告弥勒菩薩諸天人等。無量寿国声聞菩薩。功徳智慧不可称説。又其国土。微妙安楽清浄若此。何不力為善。念道之自然。著於無上下。洞達無辺際。宜各勤精進。努力自求之。必得超絶去。往生安養国。横截五悪趣。悪趣自然閉。昇道無窮極。易往而無人。其国不逆違。自然之所牽。何不棄世事。勤行求道徳。可獲極長生。寿楽無有極。
世人薄俗。共諍不急之事。共於是処劇悪極苦之中。勤身治生。用相給活。無尊無卑。無富無貧。無老無少。無男無女。皆当共憂銭財。有無同然。憂思適等。屏営愁苦。累念思慮。為心使走。無有安時。有田憂田。有宅憂宅。有牛憂牛。有馬憂馬。有六畜憂六畜。有奴婢憂奴婢。有衣被銭財金銀宝物。復共憂之。重思累息。憂念愁恐。横為非常。水火盗賊。怨主債家。所漂焼繋唐突没溺。憂毒忪忪無有解時。結憤胸中稸気恚怒。病在胸腹憂苦不離。心堅意固適無縦捨。或坐摧蔵終身亡命。棄捐之去莫誰随者。尊卑豪貴貧富。有是憂懼。勤苦此。結衆寒熱与痛共居。小家貧者窮困苦乏。無田亦憂欲有田。無宅亦憂欲有宅。無牛亦憂欲有牛。無馬亦憂欲有馬。無六畜亦憂欲有六畜。無奴婢亦憂欲有奴婢。無衣被銭財什物飲食之属。亦憂欲有之。適有一復少一。有是少是思有斉等。適小具有便復賜尽。如是苦生。当復求索。思想無益不能時得。身心倶労坐起不安。憂意相随勤苦如此。焦心不離恚恨独怒。亦結衆寒熱与痛同居。或時坐之終身夭命。亦不肯作善為道。寿命終尽死。皆当独遠去。有所趣向。善悪之道莫能知之。
「世の人々は、軽薄・卑俗で、重要でないことを争いあっている。ここ、(すなわち)ひどい悪と苦しみにみちた中で、励んで生計を立てて、(家族を)養っている。位の高い者も卑しい者も、金持ちも貧乏人も、年寄りも若者も、男も女も、みな財産のことを心配している。持つ者も持たない者も区別無く、思い煩いは同じ。うろたえ、愁い苦しみ、思案を重ね、考えを巡らし、心のしもべとなり、安らぐ時はない。
田畑を所有するものは、田畑のことを心配し、家宅を所有するものは、家宅のことを心配し、牛を所有するものは、牛のことを心配し、馬を所有するものは、馬のことを心配し、家畜を所有するものは、家畜のことを心配し、奴婢を所有するものは、奴婢のことを心配し、衣服・財産・金・銀・宝物を所有するものは、それらのことを心配する。思いに思い、ため息を繰り返し、心配と不安にかられる。「不意に、突然の洪水・火事・盗賊・恨みをいだく者や債権者によって、流されたり、焼かれたり、強奪されたり、乱入されたり、溺れたりする」(のではないかと)。とても不安で心臓がどきどきし、ほっとする時がない。憂いを心のうちにいだき、怒りの気を心のうちに積もらせ、(その結果)胸や腹を病み、憂いと苦しみは離れない。(その)意志は頑なで、全く寛容でない。傷つけられたことで命を失った場合は、ぽいと捨て去られ、誰一人として後に従う者はいない。位の高い者・金持ちには、このような憂いと恐れがあり、このように苦しむ。度々悪寒と熱病を病み、痛みと同居している。
身分の低い貧乏人は、貧窮し、貧しさに苦しむ。田畑がなければ、田畑を欲しいと悩み、家宅がなければ、家宅が欲しいと悩み、牛がなければ、牛が欲しいと悩み、馬がなければ、馬が欲しいと悩み、家畜がなければ、家畜が欲しいと悩み、奴婢がなければ、奴婢が欲しいと悩み、衣服・財産・日用品・飲食物などがなければ、やはり欲しいと悩む。たまたま一つが手にはいると、もう一つ欲しくなり、これがあると、あれも欲しくなり、ひとしなみに持ちたいと思う。たまたま束の間、全部を所有することができても、すぐにまた無くなってしまう。こうして苦しみが生じ、もう一度手に入れようとしても、思うだけ無駄で、すぐに手に入れることが出来ず、心身ともに疲れきり、いても立ってもいられない。(身分の低い貧乏人も)次々と悩みが生じ、このように苦しく、(悩みが)心を苦しめつづけ、うらみのあまり激しく怒る。(位の高い者・金持ち同様)彼らもまた度々悪寒と熱病を病み、痛みと同居している。
このことによって、命を失い、早死にする場合もある。それでもやはり善行や仏道を修めようとはしない。寿命が尽き死ねば、みなひとりで遠くに去り行かねばならない。(死後)おもむく境涯があり、それには善い境涯と悪い境涯があるということを誰も知らない。
世人薄俗。共争不急之事。共於是処劇悪極苦之中。勤身治生用相給活。無尊無卑。無富無貧。無老無少。無男無女。皆当共憂銭財。有無同然。憂思適等。屏営愁苦。累念思慮。為之走使。無有安時。有田憂田。有宅憂宅。有牛憂牛。有馬憂馬。有六畜憂六畜。有奴婢憂奴婢。衣被銭財金銀宝物。復共憂之。重思累息。憂念懐愁恐。横為非常。水火盗賊。怨家債主。所漂焼繋唐突没溺。憂毒怔忪無有解時。結憤心中慉気毒怒。病在胸腹憂苦心離。心堅意固適無縦捨。或坐摧蔵終亡身命。棄捐之去莫誰随者。尊貴豪富有此憂懼。勤苦若此。結衆寒熱与痛共居。小家貧者窮困乏無。無田亦憂欲有田。無宅亦憂欲有宅。無牛亦憂欲有牛。無馬亦憂欲有馬。無六畜亦憂欲有六畜。無奴婢亦憂欲有奴婢。無衣被銭財什物飯食之属。亦憂欲有之。適有一少一。有是少是思有斉等。適小具有便復儩尽。如是苦生。当復求索。思想無益不能時得。身心倶労坐起不安。憂念相随勤苦若此。焦心不離恚恨独怒。亦結衆寒熱与痛共居。或時坐之終身夭命。亦不肯作善為道。寿命尽死。皆当独遠去。有所趣向。善悪之道莫能知者。
然世人薄俗。共諍不急之事。於此劇悪極苦之中。勤身営務以自給済。無尊無卑。無貧無富。少長男女共憂銭財。有無同然。憂思適等。屏営愁苦。累念積慮。為心走使無有安時。有田憂田。有宅憂宅。牛馬六畜奴婢銭財衣食什物。復共憂之。重思累息憂念愁怖。横為非常水火盗賊怨家債主。焚漂劫奪消散磨滅。憂毒忪忪無有解時。結憤心中不離憂悩。心堅意固適無縦捨。或坐摧砕身亡命終。棄捐之去莫誰随者。尊貴豪富亦有斯患。憂懼万端勤苦若此。結衆寒熱与痛共倶。貧窮下劣困乏常無。無田亦憂欲有田。無宅亦憂欲有宅。無牛馬六畜奴婢銭財衣食什物。亦憂欲有之。適有一復少一。有是少是。思有斉等。適欲具有便復糜散。如是憂苦当復求索。不能時得思想無益。身心倶労坐起不安。憂念相随勤苦若此。亦結衆寒熱与痛共倶。或時坐之終身夭命。不肯為善行道進徳。寿終身死当独遠去。有所趣向善悪之道莫能知者。
或時世人父子兄弟。夫婦家室中外親属。居天地之間。当相敬愛。不当相憎。有無当相給与。不当有貪惜。言色当和。莫相違戻。或儻心諍有所恚怒。今世恨意微相嫉憎。後世転劇致成大怨。所以者何。如今之事更欲相害。雖不臨時応急相破。然之愁毒結憤精神。自然剋識不得相離。皆当対相生。値更相報復。人在世間愛欲之中。独往独来独死独生。当行至苦楽之処。身自当之無有代者。善悪変化。殃咎悪処。宿予厳待。当独升入遠到他処。莫能見去在何所。善悪自然追逐行生。窈窈冥冥別離久長。道路不同会見無期。甚難得復相値。何不棄家事。各曼強健時。努力為善。力精進求度世。可得極長寿。殊不肯求於道。復欲須待欲何楽乎。
もし、世間の人々が、父子・兄弟・夫婦・家族・父方や母方の親戚として、この世界で暮らす場合は、互いに敬愛しあい、憎しみあってはならず、持てる者は持てない者に与え、貪り惜しむことがあってはならない。ことばと顔色は柔和にして、相手に逆らうべきではない。もし対抗心があり、怒ることがあれば、この世での恨みの心はわずかに憎む程度のものでも、来世ではだんだん激しくなり大きな恨みになってしまう。なぜか。今のことに関して、互いに傷つけたいと思う。その場で、即座に攻撃しなくても、そのことを悩み苦しみ、怒りを心のうちにいだき、(怒りは)自然に意識に刻まれる。(その相手とは)離れられない。双方、生まれ変わって出会い、互いに報復しあうはずである。
人々は世間の愛欲の中で、ひとりでやってきて、ひとりで去っていき、ひとりで生まれ、ひとりで死ぬ。苦楽の境涯に至る際、自分で直面せねばならず、誰も替わってくれない。善悪の行為の(変化した)結果としての(?)災いは別の生であらかじめ厳然と待ちかまえている。ひとりで昇って行き、遠く別の生に至り、誰にも見ることができない。どこへ去っていこうと、善悪の業は自動的に、転生した所まで追いかけて行く。
ぼんやり薄暗い(輪廻の)別離は永遠につづく。たどる道が違うから、いつまた会えるか。再び出会うことはとても難しい。どうして家庭の事柄を捨て去り、それぞれ元気なあいだに、努めて善業を行わないのか。努め精進し、この俗世を越えることを求めれば、最高に長生きすることができる。まったく道を求めようとせずに、いったい何を期待しているのか。何を願っているのか。
或時世人父子兄弟。夫婦家室中外親属。居天地之間。当相敬愛。不当相憎。有無当相給与。不当有貪。言色当和。莫相違戻。或儻心争有所恚怒。今世恨意微相嫉憎。後世転劇至成大怨。所以者何。今世之事。更欲相患害。雖不臨時応急相破。殺之愁毒結憤精神。自然剋識不得相離。皆当対相生。値更相報復。人在世間愛欲之中。独来独去死生。当行至趣苦楽之処。身自当之無有代者。善悪変化。殃咎異処。宿予厳待。当独昇入遠到他処。莫能見者去在何所。善悪自然追逐往生。窈窈冥冥別離久長。道路不同会見無期。甚難甚難復得相値。何不棄衆事。各勱強健時。努力力為善。力精進来度世。可得極長寿。殊不肯求於道。復欲何須待欲何楽乎。
世間人民父子兄弟夫婦家室中外親属。当相敬愛無相憎嫉。有無相通無得貪惜。言色常和莫相違戻。或時心諍有所恚怒。今世恨意微相憎嫉。後世転劇至成大怨。所以者何。世間之事更相患害。雖不即時応急相破。然含毒畜怒結憤精神。自然剋識不得相離。皆当対生更相報復。人在世間愛欲之中。独生独死独去独来。当行至趣苦楽之地。身自当之無有代者。善悪変化殃福異処。宿予厳待当独趣入。遠到他所莫能見者。善悪自然追行所生。窈窈冥冥別離久長。道路不同会見無期。甚難甚難復得相値。何不棄衆事。各曼強健時。努力勤修善。精進願度世。可得極長生。如何不求道。安所須待欲何楽乎。
如是世人。不信作善得善。不信為道得道。不信死後世復生。不信施与得其福徳。都不信之。爾以謂不然。終無有是但坐。是故且自見之。更相代聞。前後相続。転相承受。父余教令。先人祖父。素不作善。本不為道。身愚神闇。心塞意閉。不見大道。殊無有能。見人死生。有所趣向。亦莫能知者。適無有見善悪之道。復無語者。為用作善悪福徳。殃咎禍罰。各自競作為之用。殊無有怪也。至於死生之道。転相続立。或子哭父。或父哭子。或弟哭兄。或兄哭弟。或婦哭夫。或夫哭婦。顛倒上下無常根本。皆当過去。不可常得。教語開導。信道者少。皆当死生。無有休止。如是曹人。朦冥抵突。不信経語。各欲快意。心不計慮。愚痴於愛欲。不解於道徳。迷惑於瞋怒。貪狼於財色。坐之不得道。当更勤苦。極在悪処生。終不得止休。息痛之甚可傷。或時家室中外。父子兄弟夫婦。至於死生之義。更相哭泣転相思慕。憂念憤結恩愛繞続。心意著痛対相顧恋。昼夜縛礙無有解時。教視道徳心不開明。思想恩好情欲不離。閉塞矇瞑交錯覆蔽。不能思計。心自端正決断世事。専精行道便旋至竟。寿終命尽不能得道。無可那何。
このように世間の人は、善業を行えば善果を得ることを信じない。(仏)道を行えば道(さとり)を得ることを信じない。死んで後の世で転生することを信じない。布施をすれば、その功徳を得ることを信じない。まったくこれらを信じず、またそんなわけはないと思い、そういうことはないと言う。しかし、(他ならぬ)この(言動)のせいで、遠からずこれらのことを自分で体験することになろう。先祖から子孫へ相続される教えを代々聞き受け継いでいく。先祖はもともと善業・(仏)道を行ったことがなく、身も精神も暗愚で、心は閉塞していて、大いなる(仏)道を見ようとしない。人が死んで後おもむく境涯があるのを見る能力がまったくないし、知る能力のある者もない。そこには善い境涯と悪い境涯があるのを見ることもまったくないし、語ってくれる人もいない。善悪の行為を行うことによって、福徳・災い・懲罰がそれぞれ競うように起こるのも、そういうわけで(?)、まったく不思議なことではない。
死に至るという道理は次々と立ち現れてくる。あるいは子が父を亡くして泣き、あるいは父が子を亡くして泣く。あるいは弟が兄を亡くして泣き、あるいは兄が弟を亡くして泣く。あるいは妻が夫を亡くして泣き、あるいは夫が妻を亡くして泣く。(老幼・兄弟・夫婦の死の)順序が逆になるのは、無常の根本の姿だ。誰もみな過ぎ去っていき、永遠に留まることはできない。
教え語り、諭しても、この道理を信じるものは少ない。みな生死を繰り返し、とどまることはない。(しかし)このような人々は、ぼんやりしていてあちこちで衝突し、教えの言葉を信じず、それぞれ心を楽しませることを求め、思慮がない。(彼らは)愛欲に理性を失い、道徳をわきまえず、怒りのために惑い、財産や女色を貪っている。このために(仏)道を得ず、当然苦しみの極みを受け、悪い境涯に(再び)生まれ、決してとどまることはできない。その苦痛はいたましいかぎりだ。
(愚昧な追慕)
家族・父方や母方の親戚・父子・兄弟・夫婦の死(ぬという道理)に直面すると、互いに声を出して泣き、涙を流し、互いに追慕する。憂いが心のうちに鬱積し、恩愛がまとわりついて離れない。心は痛みに襲われ、互いに恋々として思いきれず、(その悲しみは)昼となく夜となく結ばれ束縛し、(それから)解放される時がない。仏道の恩恵を教え示しても、心を開いて受け容れず、(亡き人との)愛情を想い、情欲が身を離れず、心をすっかり閉ざしてもうろうとしており、(蒙昧さに)幾重にも覆われていて、(彼らは)思考したり、心をきちんとただしたり、世俗のことからすっぱり身をひき、ひたすら道を修めたりすることができない。最後までふらふらしていて、寿命が尽きても、仏道を得られず、もうどうしようもない。
如是世人。不信作善得善。不信為道得道。不信死後世復生不信施与得其福徳。都不信之。亦以謂之不然。言無有是。但坐是故且自見之。更相看視。前後転相承受。父余教令。先人祖父。素不作善。本不為道。身愚神闇。心塞意閉。不見天道。殊無有能。見人生死。有所趣向。亦莫能知者。適無有見善悪之道。復無有語者。為用作善悪福徳。殃咎禍罰。各自競作為之用。殊無有怪也。至於生死之道転相続。顛倒上下。無常根本。皆当過去不可常得。教語開導。信道者少。皆当生死無有休止。如是曹人。朦冥抵突。不信経語。各欲快意。心不計慮。愚痴於愛欲。不解於道徳。迷惑於瞋怒。貪猥於財色。坐之不得道。当更勤苦極。在於悪処生。終不得止休。息痛之甚可傷。或時家室中外。父子兄弟夫婦。至於生死之義。更相哭涙転相思慕。憂念憤結恩愛繞続。心意痛著対相顧思。昼夜無有解時。教示道徳心不開明。恩愛情欲不離。閉塞蒙蒙交錯覆蔽。不得思計。心自端正決断世事。専精行道便旋至竟。年寿命尽不能得道。無可奈何。
如是世人。不信作善得善為道得道。不信人死更生恵施得福。善悪之事都不信之。謂之不然終無有是。但坐此故且自見之。更相瞻視先後同然。転相承受父余教令。先人祖父素不為善不識道徳。身愚神闇心塞意閉。死生之趣善悪之道。自不能見無有語者。吉凶禍福競各作之。無一怪也。生死常道転相嗣立。或父哭子或子哭父。兄弟夫婦更相哭泣。顛倒上下無常根本。皆当過去不可常保。教語開導信之者少。是以生死流転無有休止。如此之人。曚冥抵突不信経法。心無遠慮各欲快意。痴惑於愛欲。不達於道徳。迷没於瞋怒。貪狼於財色。坐之不得道。当更悪趣苦。生死無窮已。哀哉甚可傷。或時室家父子兄弟夫婦。一死一生更相哀愍。恩愛思慕憂念結縛。心意痛著迭相顧恋。窮日卒歳無有解已。教語道徳心不開明。思想恩好不離情欲。惛曚閉塞愚惑所覆。不能深思熟計心自端政専精行道決断世事。便旋至竟年寿終尽不能得道。無可奈何。
総猥憒譊皆貪愛欲。如是之法。不解道者多。得道者少。世間怱怱。無可聊頼。尊卑上下。豪貴貧富。男女大小。各自怱務。勤苦躬身懐殺毒。悪気窈冥。莫不惆悵。為妄作事。悪逆天地。不従人心。道徳非悪。先随与之。恣聴所為。其寿未至。便頓奪之。下入悪道。累世勤苦。展転愁毒。数千万億歳無有止期。痛不可言。甚可憐愍
仏告阿逸菩薩等諸天帝王人民。我皆語汝。造世間之事人。用是故坐不得道。汝曹熟思惟之。悪者当縦捨遠離之去。従其善者。当堅持勿妄為非。益作諸善。大小多少愛欲之栄。皆不可常得。由当別離無可楽者。曼仏世時。其有信受仏経語深。奉行道徳。皆是我小弟也。其欲有甫学仏経戒者。皆是我弟子。其有欲出身去家捨妻子。絶去財色。欲作沙門為仏作比丘者。皆是我子孫。我世甚難得値。其有願欲生阿弥陀仏国者。可得智慧勇猛。為衆所尊敬。勿得随心所欲。虧負経戒。在於人後。儻有疑意不解経者。復前問仏。為汝解之。
(世間では)多くの雑事に(追われており)(?)、混乱し、かまびすしく、みな愛欲を貪り求めている。仏法とは上で述べた様なものだが(?)、仏道を理解しない人は多く、仏道を得た人は少ない。世間の人はせかせかしていて、心を落ち着けるところがない。位の高い者も低い者も、金持ちも貧乏人も、男も女も、大人も子供も、みなあわただしく、自分を苦しめ、みな殺意・害意をいだいていて、悪意がたまってもうろうとしており、憂いを感じない者はいない。そのためでたらめに行動し、天地(の道理)に逆らい、人間らしい心に背いている。(仏)道の働きは、悪人にまずはそのまま好きなようにさせておいて、その(授かった)寿命がまだ尽きないうちに、突然その命を奪う。悪趣に落ち、幾世にわたって苦しみを受け、次から次へと悩み苦しみが絶えず、数千万億年にわたってずっとそこから出られない。その苦痛はことばで表現できないほど。まったくあわれなことだ。」
(悪業を止め、善業をなせ)
仏は阿逸菩薩などと神々・帝王・人々に仰った。
「私はお前たちに世間のことをすっかり話した。人々はこのような理由で仏道を得られないである。お前たちはこのことをよくよく考えよ。悪業から手を引き、それから遠ざかれ。善業をなすなら、そのことを堅持し、みだりに悪いことなどせず、大いに善業を行え。愛情・欲望の享受は、それが大きなものでも小さなものでも、多かろうと少なかろうと、永遠に留めることはできず、やはり捨て去らねばならず、楽しんではならない。
仏(わたし)の(在)世の間に、奥深い仏の教えの言葉を信じ受け入れ、悟りのための修行をおしいただいて実行する者がいれば、彼らはみな私の弟たちだ。仏の教えに基づく戒を学ぼうとおもい始めたばかりの者がいれば、彼らはみな私の弟子たちだ。もし出家して、妻子を捨て、財産や女色を捨て、沙門となり、(さらに)仏(わたし)のもとで比丘になりたい者がいれば、彼らはみな私の子孫たちだ。
私の(いる)時代に巡り合うのは大変難しい。もし、阿弥陀仏の国に生まれたいと願う者がいれば、彼らは智慧あり、勇敢なものとなり、みんなに尊敬されるであろう。好き勝手にして、仏の教えに基づく戒に背き、他の人より劣ってはならない。
もし疑問があり、教えが理解できない者がいれば、前に進み出て仏(わたし)に尋ねよ。あなた方に説明してあげよう。」
総猥憒譊皆貪愛欲。如是之法。不解道者多。得道者少。世間怱怱無可聊頼。尊卑上下豪貴貧富。男女大小各自怱務。勤苦躬身各懐殺毒。悪気窈冥。莫不惆悵。為妄作事。悪逆天地。不従仁心。道徳非悪。先随与之。恣聴所為。其寿未至。便頓奪之。下入悪道。累世勤苦。展転愁毒。数千万億歳。無有出期。痛不可言。甚可憐愍。仏告阿逸菩薩等諸天帝王人民。我皆語若曹。世間之事人用。是故坐不得道。若曹熟思惟之。悪者当縦捨遠離之。従其善者。当堅持之勿妄為非。益作諸善。大小多少愛欲之栄。皆不可常得。猶当別離無可楽者。勱仏世時。其有信愛仏経諸深。奉行道徳。皆是我小弟也。其有甫欲学仏経戒者。皆是我弟子也。其有欲出身。去家捨妻子。絶去財色。欲来作沙門。為仏作比丘者。皆是我子孫。我世甚難得値。其有願欲生無量清浄仏国者。可得智慧勇猛。為衆所尊敬。勿得随心所欲。虧負経戒。在人後儻有疑意不解経者。復前問仏。仏当為若解之。
総猥憒擾皆貪愛欲。惑道者衆。悟之者寡。世間怱怱。無可聊頼。尊卑上下貧富貴賤。勤苦怱務各懐殺毒。悪気窈冥為妄興事。違逆天地不従人心。自然非悪先随与之。恣聴所為待其罪極。其寿未尽便頓奪之下入悪道。累世懟苦展転其中。数千億劫無有出期。痛不可言甚可哀愍仏告弥勒菩薩諸天人等。我今語汝世間之事。人用是故坐不得道。当熟思計遠離衆悪。択其善者勤而行之。愛欲栄華不可常保。皆当別離無可楽者。曼仏在世当勤精進。其有至願生安楽国者。可得智慧明達功徳殊勝。勿得随心所欲虧負経戒在人後也。儻有疑意不解経者。可具問仏当為説之。
阿逸菩薩長跪叉手言。仏威神尊重。所説経快善。我曹聴経語。皆心貫之。世人実爾。如仏所語無有異。今仏慈哀我曹。開示大道教語生路。耳目聡明長得度脱。今若得更生。我曹聴仏経語。莫不慈心歓喜踊躍開解者。及諸天帝王人民。蜎飛蠕動之類皆蒙恩。無不解脱憂苦者。仏語教戒甚深善。無極無底。仏智慧所見知。八方上下。去来現在之事。無上無下。無辺無幅。仏甚難得聞。我曹比慈心於仏所。令我曹得度脱者。皆是仏前世求道時。勤苦学問。精明所致。恩徳普覆。所施行福徳。相禄巍巍。光明徹照。洞虚無極。貫入泥洹。教授攬典。制威消化。改動八方上下。無窮無極。仏為師法尊絶群聖。都無能及仏者。仏為八方上下。諸天帝王人民作師。随其心所欲願。大小皆令得道。今我曹得与仏相見。得聞阿弥陀仏声。我曹甚喜。莫不得黠慧開明者。
阿逸菩薩が膝立ちし合掌して申し上げた。
「仏は威厳があり、とても尊い、説かれる教えはすばらしい。私たちは、教えのお言葉を聞いて、それらがみな心にぴったりきます。世間の人は実にその通りで、仏の仰る通りで、相違ありません。いま仏は私たちを哀れんで、大いなる道を示され、生きる道を語りお教え下さった。(お蔭様で)はっきり見聞きできるようになり、永遠に度脱を得ました。いままるで生まれ変わったかのようです。私たちは、仏の教えのお言葉を聞いて、誰もが(仏への)敬愛の心をもって踊らんばかりに歓喜し、はっきり理解しました。神々・帝王・人々・飛ぶ虫・這う虫など(一切衆生)までみな恩恵を蒙り、苦悩から解脱しないものはいません。
仏の語られた教えと戒めはとても奥深く、とても良く、はてなく、極みがありません。仏が智慧で見知なされる八方上下、過去・現在・未来のことがらは、縦横無尽です。仏は大変(出会い難く、教えはとても)聞くことが得難いものです。私たちはみな仏を敬愛しています。いま私たちが度脱することができたのは、すべて仏が前世でさとりを求めておられた時、刻苦して学問をなされ、ひたむきであられたお蔭です。(仏の)恩徳は万物に行きわたり、なされた福徳(の結果である)福々しいお姿はとてもすばらしい。光明は輝きわたり、遮るものなくどこまでも照らし、涅槃(の世界に)まで貫き入る。(仏は)教えを授け、(すべてを)つかさどり、(他の)威力を制圧し、消し去り、八方上下の果てしなく極まりない(人々の心を)改めさせます。仏は師として鑑であり、尊さにおいてあらゆる聖人を凌駕していて、仏に及ぶ者は全くいません。仏は八方上下の神々・帝王・人々の師となられ、彼らの願いの大きさに応じて、それぞれ(悟りへいたる修行)道を得させます。
いま私たちは仏にまみえることができ、『阿弥陀仏』という名前をお聞きすることができ、私たちはうれしくてたまりません。だれもがみな智慧を得て、ものごとがはっきり分かるようになりました。」
阿逸菩薩長跪叉手言。仏威神尊重所説経快善。我曹聴仏経語。皆心貫思之。世人実爾。如仏所語無有異。今仏慈哀。我曹開視天道教語生路。耳目聡明長得度脱。若得更生。我曹聴仏経語。莫不慈心歓喜踊躍開解者。我曹及諸天帝王人民。蜎飛蠕動之類皆蒙仏恩。無不得解脱憂苦者。仏諸教戒甚深。無極無底。仏智慧所見知。八方上下去来現在之事無上無辺幅。仏甚難得値。経道甚難得聞。我曹皆慈心於仏所。今我曹得度脱者。皆是仏前世求道時。慊苦学問。精進所致。恩徳普覆。所施行福徳。相禄巍巍。光明徹照。洞虚無極。開入泥洹。教授経典。制威消化。愍動八方上下。無窮無極。仏為師法尊絶群聖。都無能及仏者。仏為八方上下諸天帝王人民作師。随其心所欲願。大小皆令得道。今我曹得与仏相見。得聞無量清浄仏声。我曹甚喜。莫不得黠慧開明者。
弥勒菩薩長跪白言。仏威神尊重。所説快善。聴仏経者貫心思之。世人実爾如仏所言。今仏慈愍顕示大道。耳目開明長得度脱。聞仏所説莫不歓喜。諸天人民蠕動之類。皆蒙慈恩解脱憂苦。仏語教誡甚深甚善。智慧明見八方上下去来今事莫不究暢。今我衆等。所以蒙得度脱。皆仏前世求道之時謙苦所致。恩徳普覆福禄巍巍。光明徹照達空無極開入泥洹。教授典攬威制消化。感動十方無窮無極。仏為法王尊超衆聖。普為一切天人之師。随心所願皆令得道。今得値仏。復聞無量寿声。靡不歓喜心得開明
仏告阿逸菩薩。若言是実当爾。若有慈心於仏所者大喜。実当念仏。天下久久。乃復有仏耳。今我於苦世作仏。所出経道。教授洞達。截断狐疑。端心正行。抜諸愛欲。絶衆悪根本。遊歩無拘。典総智慧。衆道表裏。攬持維綱。照然分明開視五道。決正生死泥洹之道。仏言。若曹従無数劫以来。不可復計劫。若曹作菩薩道。欲過度諸天人民及蜎飛蠕動之類。已来甚久遠。人従若得道度者無央数。至得泥洹之道者亦無央数。若曹及八方上下。諸天帝王人民。若比丘比丘尼。優婆塞優婆夷。若曹宿命。従無数劫已来。展転是五道中。死生呼嗟。更相哭涙。転相貪慕。憂思愁毒。痛苦不可言。至今世死生不絶。乃今日与仏相見共会値。是乃聞阿弥陀仏声甚快善。
仏は阿逸菩薩に仰った。
「おまえの言うことは事実であり、そのとおりだ。おまえが仏(わたくし)に対して敬いの気持ちを持つのは、たいへん喜ばしいことだ。どうか仏を念じなさい。久しぶりにやっとまた世界に仏があらわれたのだ。いま私は(この)苦しみの世界で仏となり、(自ら考え)出した教義を無碍自在に教え、(人々の)疑いを断ち、心と行いを正し、もろもろの愛欲を取り去り、諸悪の根本を断ち、融通無碍に(世界を)歩き回り、智慧を把握している。あらゆる境涯の表裏は、根本を掌握することで、すっかり明らかになる。(仏は)五種の境涯を明らかに示して、生死輪廻の道と涅槃への道とをきちんと区別する。」
(阿弥陀仏の名を聞き、輪廻を厭い、心身を清めよ)
仏は仰った。
「おまえたちは、無数劫以来、数え切れないほどの劫の間、菩薩道を修め、神々や人々や飛ぶ虫・這う虫など(一切衆生)を(輪廻から)救済しようと実に長い間願ってきた。おまえ(たち)から(仏)道を学び、(輪廻を)度脱した人間は無数にいる。涅槃にいたる道を得るに至った者もまた無数だ。
おまえたちと八方上下の神々・帝王・人々あるいは比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷たちは、過去世から無数劫以来ずっと、これら五種の境涯を転々としてきた。(家族と)死に別れる時、互いに声を出して泣き、涙を流し、互いに恋々として、深く憂い愁いて、言い表せないほど苦しむ。(こうして)今世まで絶えず輪廻しつづけ、やっと今日仏にまみえ、たまたま出会えた。こうしてやっと『阿弥陀仏』の呼び名を聞くことができたのは、とてもすばらしいことだ。
仏告阿逸菩薩。若言是実当爾。若有慈心於仏所者。大喜実当念仏。天下久久。乃復有仏耳。今我於苦世作仏所出経道。教授洞達。截断狐疑。端心正行。抜諸愛欲。絶衆悪根本。遊歩無拘。典総智慧。衆道表裏。攬持維綱。昭然分明開示五道。決正生死泥洹之道。仏言。若曹従無数劫以来。不可復計劫。若曹作菩薩道。欲過度諸天人民。及蜎飛蠕動之類。以来甚久遠。人従若得道度者無央数。至得泥洹之道者亦無央数。若曹及八方上下。諸天帝王人民。若比丘比丘尼優婆塞優婆夷。若曹宿命従無数劫以来。展転是五道中。死生呼嗟。更相哭涙。転相貪慕。憂思愁毒。痛苦不可言至今世死生不絶。乃至今日与仏相見共会値是乃聞無量清浄仏声甚快。善哉
仏告弥勒。汝言是也。若有慈敬於仏者。実為大善。天下久久乃復有仏。今我於此世作仏。演説経法宣布道教。断諸疑網。抜愛欲之本。杜衆悪之源。遊歩三界無所拘閡。典攬智慧衆道之要。執持綱維昭然分明。開示五趣度未度者。決正生死泥洹之道。弥勒当知。汝従無数劫来修菩薩行。欲度衆生其已久遠。従汝得道至于泥洹不可称数。汝及十方諸天人民一切四衆。永劫已来展転五道。憂畏勤苦不可具言。乃至今世生死不絶。与仏相値聴受経法。又復得聞無量寿仏。快哉甚善
我助汝曹喜。亦可自厭死生痛痒。生時甚痛甚苦甚極。至年長大亦苦亦極。死時亦痛亦苦亦極。甚悪臭処不浄。潔了無有可者。仏故悉語若曹。若曹亦可自決断臭処悪露。若曹亦可端心正身。益作諸善。於是常端中外。潔浄身体。洗除心垢。自相約撿。表裏相応。言行忠信。人能自度脱。転相扶接。抜諸愛欲。精明至心。求願不転。結其善道根本。雖精苦一世。須臾間耳。今世為善。後世生阿弥陀仏国。快楽甚無極。長与道徳合明。然善相保守。長去離悪道痛痒之憂悩。抜勤苦諸悪根本。断諸愛欲恩好。長生阿弥陀仏国。亦無有諸痛痒。亦無復有諸悪臭処。亦無復有勤苦。亦無淫泆瞋怒愚痴。亦無有憂思愁毒。生於阿弥陀仏国。欲寿一劫十劫。百劫千劫万億劫。自恣意欲住止寿無央数劫。不可復計数劫。恣汝随意皆可得之。欲食不食。恣若其意。都悉自然。皆可得之。次於泥洹之道。皆各自精明求索。心所欲願。勿得狐疑心中悔。欲往生者。無得坐其過失。在阿弥陀仏国界辺。自然七宝城中。讁五百歳。阿逸菩薩言。受仏厳明重教。皆当精進一心求索。請奉行之不敢疑怠
(おまえたちは)輪廻の苦痛を自ら厭うべきである。生まれる時には、とても痛く、とても苦しく、とてもつらい。大きくなってからも、苦しく、つらい。〈飢える時も、痛く、苦しく、つらい。病の時も、痛く、苦しく、つらい。〉死ぬ時も、痛く、苦しく、つらい。(身は)とても悪臭がして、不潔で、まったくいいところがない。
仏(わたし)は、だからおまえたち皆に言う。おまえたちも、自分できっぱりと臭さや汚い体液を断ち切るべし。おまえたちは、また、心身を正し、大いに善行をなしなさい。そこで常に(体の)内と外を整え、身体を清潔にし、(煩悩という)心の垢を洗い落とし、規範を守り、内心と態度とを一致させ、まごころと誠実さをもって話し行動しなさい。人は(こうして)自ら度脱し、次々に(他の人を)手助けすることができる。様々な愛欲を断ち、ひたすらに懸命に、退転することなく願いを追い求め、善き境涯(善道)への根本を固めよ。
(阿弥陀仏国に生まれて、苦しみ・煩悩を離れる)
一生涯、精励刻苦したとしても、それはわずかのあいだのことである。この世で善業をなし、来世には阿弥陀仏国に生まれて、まったく極まりのない快楽を得、明るさという点において覚りそのものと永久(とわ)に等しくなり、そのまま(その覚りを)よく保ち続け、永く悪しき境涯(悪道)の苦痛の憂いと悩みを離れ、苦しみと悪業の根源を抜きとり、愛欲と愛情とを断じて、とわに阿弥陀仏国に生まれ(住む)。(そこでは)苦痛もなく、またもはや厭わしい臭みもなく、またもはや苦しみもなく、また婬欲・怒り・愚かさもなく、また憂いや嘆きもない。
(阿弥陀仏国は涅槃の境地に近い)
阿弥陀仏国に生まれれば、一劫、十劫、百劫、千劫でも万億劫でも、好きなだけ長生きしてとどまることができる。無数劫でも、計り知れない劫でも、好きなだけ長生きすることができる。食べたかろうと食べまいと、思いのままで、(食べ物は)すべて自然に(現われ)、誰もがみな食べることができ、涅槃の境地に近い。
(疑いをもつな)
みなそれぞれ心の願いをひたすら追求しなさい。疑心や後悔を懐いてはならない。(阿弥陀仏国に)往生しようと欲するものは、その(疑心・後悔の)過失によって、阿弥陀仏国の端にある、自然の七宝でできた城で、五百年間処罰を受けないようにせよ。」
阿逸菩薩は申し上げた。
「仏の厳格明確で重要な教えを頂きました。みなひたすら精進して、(教えの実現を)追求します。これを実行致したく存じます。疑いなぞ懐くはずがありません。」
助汝曹喜。亦可自厭死生痛痒。生時甚痛甚苦甚極。至年長大亦苦亦極。死時亦痛亦苦亦極。甚悪臭処不浄潔了無有可者。仏故悉語。若曹亦可自決断臭処悪露。若曹亦可端心正身益作諸善。於是常端中外。潔浄身体。洗除心垢。自相約撿。表裏相応。言行忠信。人能自度脱。転相扶接。抜諸愛欲。精明至心。求願不転。結其善道根本。雖精進苦一世。須臾間耳。今世為善。後世生無量清浄仏国。快楽甚無極。長与道合明。然善極相保守。長去離悪道痛痒之憂悩。抜勤苦諸悪根本。断諸愛欲恩好。長生無量清浄仏国。亦無有諸痛痒。亦無復有諸悪臭処。亦無復有勤苦。亦無淫泆瞋怒愚痴。亦無有憂思愁毒。生於無量清浄仏国。欲寿一劫十劫。百劫千劫万億劫。自恣若意。欲住止寿無央数劫。不可復計数劫。恣汝随意皆可得之。欲食不食。恣若其意。都悉自然。皆可得之。次於泥洹之道。皆各自精明求索。心所欲願。勿得狐疑心中悔。欲往生者。無得坐其過失。在無量清浄仏国界辺。自然七宝城中。讁五百歳。阿逸菩薩言。受仏厳明重教。皆当精進一心求索。請奉行之不敢疑怠◎
仏説無量清浄平等覚経巻第三
吾助爾喜。汝今亦可自厭生死老病痛苦悪露不浄無可楽者。宜自決断端身正行益作諸善。修己潔体洗除心垢。言行忠信表裏相応。人能自度転相拯済。精明求願積累善本。雖一世勤苦須臾之間。後生無量寿仏国快楽無極。長与道徳合明。永抜生死根本。無復貪恚愚痴苦悩之患。欲寿一劫百劫千億万劫。自在随意皆可得之。無為自然。次於泥洹之道。汝等宜各精進求心所願。無得疑惑中悔自為過咎。生彼辺地七宝宮殿。五百歳中受諸厄也。弥勒白仏。受仏重誨。専精修学。如教奉行不敢有疑
仏告阿逸菩薩等。若曹於是世。能自制心正意。身不作悪者。是為大徳善。都有一輩。為八方上下。最無有比。所以者何。八方上下。無央数仏国中。諸天人民。皆自然作善。不大為悪易教化。今我於是世間作仏。為於五悪五痛五焼之中作仏。為最劇教語人民。令縦捨五悪。令去五痛。令去五焼之中。降化其心。令持五善。得其福徳度世長寿泥洹之道。仏言。何等為五悪。何等為五痛。何等為五焼中者。何等為消化五悪。令得五善者。何等為持五善。得其福徳長寿。度世泥洹之道。
仏説無量清浄平等覚経巻第四
後漢月氏国三蔵支婁迦讖訳
◎仏告阿逸菩薩等。若曹於是世。能自制心正意。身不作悪者。是為大徳善。都為八方上下最無有比。所以者何。八方上下無央数仏国中。諸天人民。皆自然作善。不大為悪易教化。今我於是世間為仏。於五悪五痛五焼之中作仏為最劇。教語人民。令絶五悪。令去五痛。令去五焼。降化其心。令持五善得其福徳度世長寿泥洹之道。仏言。何等為五悪。何等為五痛。何等為五焼中者。何等為消化五悪令持五善者。何等為持五善得其福徳長寿度世泥洹之道。
仏告弥勒。汝等能於此世。端心正意不作衆悪。甚為至徳。十方世界最無倫匹。所以者何。諸仏国土天人之類。自然作善不大為悪。易可開化。今我於此世間作仏。処於五悪五痛五焼之中。為最劇苦。教化群生令捨五悪。令去五痛。令離五焼。降化其意令持五善獲其福徳度世長寿泥洹之道。仏言。何等為五悪。何等五痛。何等五焼。何等消化五悪。令持五善獲其福徳度世長寿泥洹之道
仏言。其一悪者。天人民下至禽獣。蜎飛蠕動之属欲為衆悪。強者服弱転相剋賊。自相殺傷更相食噉。不知作善。悪逆不道。受其殃罰道之自然。当往趣向神明記識。犯之不貰転相承続。故有貧窮下賤乞匃孤独。故有聾盲瘖瘂愚痴憋悪。下有尫狂不及逮之属。故有尊卑豪貴高才明達智慧勇猛。皆其前世宿命。為善慈孝布施恩徳。故有官事王法牢獄。不肯畏慎作悪入法。受其過讁重罰致劇。求望解脱難得度出。今世有是目前現在。寿終有処入其窈冥受身更生。比若王法劇苦極刑。故有自然泥犁禽獣薜荔。蜎飛蠕動之類。転貿身形改悪易道。寿命短長魂神精識。自然入趣受形寄胎。当独値向相従共生。転相報償当相還復。殃悪禍罰。衆事未尽。終不得離展転其中。世世累劫無有出期。難得解脱痛不可言。天地之間自然有是。雖不臨時卒暴応時。但取自然之道。皆当善悪帰之。是為一大悪。為一痛。為一焼。勤苦如是。愁毒呼嗟。比若劇火起焼人身。人能自於其中。一心制意端身正行。独作諸善不為衆悪者。身独度脱得其福徳。可得長寿度世上天泥洹之道。是為一大善。
仏言。其一悪者。諸天人民下至禽獣蜎飛蠕動之類。欲為衆悪。強者伏弱。転相剋賊。自相殺傷。更相食噉。不知為善。悪逆不道。受其殃罰。道之自然。当往趣向。神明記識。犯之不貰。転相承続。故有貪窮下賤乞丐孤独人。有聾盲瘖瘂愚痴弊悪。下有尫狂不及逮之属。其有尊貴豪富。高才明達智慧勇猛。皆其前世宿命。為善慈孝。布恩施徳。故有官事王法牢獄。不肯畏慎作悪入法。受其過讁重罰致劇。求望解脱難得度出。今世有是目前現在。寿終尤劇。入其窈冥。受身更生。譬若王法劇苦極刑。故有自然泥犁禽獣薜荔。&MT02347;飛蠕動之類属。貿身形。改悪易道。寿命短長。魂神命精。自然入趣。受形寄胎。当独値向。相従共生。転相報償。当相還復。殃悪讁罰。衆事未尽。終不得離。展転其中。世世累劫。無有出期。難得解脱。痛不可言天地之間自然有是。雖不臨時卒暴至。応時恒取自然之道。皆当善悪帰之。是為一大悪。為一痛。為一焼。勤苦如是。愁毒呼嗟。比如劇火起焼人身。人能自於其中。一心制意端身正行。独作諸善。不為衆悪者。身独度脱得其福徳。可得長寿度世上天泥洹之道。是為一大善
其一悪者。諸天人民蠕動之類。欲為衆悪莫不皆然。強者伏弱転相剋賊。残害殺戮迭相呑噬。不知修善悪逆無道。後受殃罰自然趣向。神明記識犯者不赦。故有貧窮下賤乞匃孤独聾盲瘖唖愚痴憋悪。至有尫狂不逮之属。又有尊貴豪富高才明達。皆由宿世慈孝修善積徳所致。世有常道王法牢獄。不肯畏慎。為悪入罪受其殃罰。求望解脱難得免出。世間有此目前現事。寿終後世尤深尤劇。入其幽冥転生受身。譬如王法痛苦極刑。故有自然三塗無量苦悩。転貿其身。改形易道。所受寿命或長或短。魂神精識自然趣之。当独値向相従共生更相報復無有止已。殃悪未尽不得相離。展転其中無有出期。難得解脱痛不可言。天地之間自然有是。雖不即時卒暴応至善悪之道会当帰之。是為一大悪一痛一焼。勤苦如是。譬如大火焚焼人身。人能於中一心制意。端身正行独作諸善。不為衆悪者。身独度脱獲其福徳度世上天泥洹之道。是為一大善也
仏言。其二悪者。世間帝王長吏人民。父子兄弟家室夫婦略無義理。不従正令奢婬憍慢。各欲快意恣心自在。更相欺調殊不懼死。心口各異言念無実。佞諂不忠諛媚巧辞。行不端緒更相嫉憎転相讒悪陥人寃枉。主上不明心不察照任用臣下。臣下存在践度能行。知其形施在位不正。為其所調妄損忠良賢善。不当天心甚違道理。臣欺其君子欺其父。弟欺其兄婦欺其夫。家室中外知識相訟。各懐貪淫心毒瞋怒。矇聾愚痴欲益。無有尊卑上下。無男無女無大無小。心倶同然欲自厚己。破家亡身不顧念前後。家室親属坐之破族。或時家中内外知識朋友。郷党市里愚民野人。転更従事共相利害。諍財闘訟怒忿成仇転諍勝負。慳富焦心不肯施与。祝祝守愛保貪惜。坐之思念心労身苦。如是至竟無所恃怙。独来独去無一随者。善悪福徳殃禍讁罰。追命所生或在楽処或入毒苦。然後乃悔当復何及或時世人愚心少智。見善誹謗恚之不肯慕及。但欲為妄作不道。但欲盗窃常懐毒心。欲得他人財物用自供給。消散靡尽賜復求索。邪心不正常独恐怖畏人有色。臨時不計事至乃悔。今世現在長吏牢獄。自然趣向受其殃咎。世間貧窮乞匃孤独。但坐前世宿命。不信道徳不肯為善。今世為悪天神別籍。寿終入悪道。故有自然泥犁禽獣薜荔。蜎飛蠕動之属。展転其中。世世累劫無有出期。難得解脱痛不可言。是為二大悪。為二痛。為二焼。勤苦如是。比若火起劇於焼人身。人能自於其中。一心制意端身正行。独作諸善不為衆悪者。身独度脱得其福徳。可得長寿度世上天泥洹之道。是為二大善
仏言。其二悪者。世間帝王。長吏人民。父子兄弟。室家夫婦。略無義理。不従政令。転淫奢驕慢。各欲快意。恣心自在。更相欺調。殊不懼死。心口各異。言念無実。佞諂不忠。諛媚巧辞。行不端正。更相嫉憎。転相讒悪陥入悪枉。主上不明。心不察照。任用臣下。臣下存在。浅度能行。知其形勢。在位不正。為其所調。妄捐忠良。不当天心。甚違道理臣欺其君。子欺其父。弟欺其兄。婦欺其夫。室家中外。知識相紹。各懐貪婬。心独恚怒。蒙聾愚痴欲益多。有尊卑上下。無男無女。無大無小。心倶同然。欲自厚己。破家亡身。不顧念前後。家室親属。坐之破族。或時家中内外。知識朋友。郷党市里愚民。転共従事。更相利害。争銭財闘。忿怒成仇転争勝負。慳富焦心。不肯施与。専専守惜。愛宝貪重。坐之思念。心労身苦。如是至竟。無所恃怙。独来独去。無一随者。善悪禍福。殃咎讁罰。追命所生。或在楽処。或入毒苦。然後乃悔。当復何及。或時世人。愚心少智。見善誹謗恚之。不肯慕及。但欲為悪。妄作非法。但欲盗窃。常懐毒心。欲得他人財物。用自供給。消散摩尽。賜復求索。邪心不正。常独恐怖。畏人有色。臨時不計。事至乃悔。今世現在。長吏牢獄。自然趣向。受其殃咎。世間貧窮。乞丐孤独。但坐前世宿命。不信道徳。不肯為善。今世為悪。天神別籍。寿終入悪道。故有自然泥犁禽獣薜荔。蜎飛蠕動之類。展転其中。世世累劫。無有出期。難得解脱。痛不可言。是為二大悪二痛二焼。勤苦如是。比如火起焼人身。人能自於其中。一心制意端身正行。独作衆善。不為衆悪者。身独度脱。得其福徳。可得長寿度世上天泥洹之道。是為二大善
仏言。其二悪者。世間人民父子兄弟室家夫婦。都無義理不順法度。奢婬憍縦各欲快意。任心自恣更相欺惑。心口各異言念無実。佞諂不忠。巧言諛媚。嫉賢謗善。陥入怨枉。主上不明任用臣下。臣下自在機偽多端。践度能行知其形勢。在位不正為其所欺。妄損忠良不当天心。臣欺其君。子欺其父。兄弟夫婦。中外知識。更相欺誑。各懐貪欲瞋恚愚痴。欲自厚己。欲貪多有。尊卑上下心倶同然。破家亡身不顧前後。親属内外坐之滅族。或時室家知識郷党市里愚民野人。転共従事。更相剥害。忿成怨結。富有慳惜不肯施与。愛保貪重心労身苦。如是至竟無所恃怙。独来独去無一随者。善悪禍福追命所生。或在楽処。或入苦毒。然後乃悔当復何及。世間人民。心愚少智。見善憎謗不思慕及。但欲為悪妄作非法。常懐盗心悕望他利。消散磨尽而復求索。邪心不正懼人有色。不予思計事至乃悔。今世現有王法牢獄。随罪趣向受其殃罰。因其前世不信道徳不修善本。今復為悪天神剋識別其名籍。寿終神逝下入悪道。故有自然三塗無量苦悩。展転其中。世世累劫無有出期。難得解脱痛不可言。是為二大悪二痛二焼。勤苦如是。譬如大火焚焼人身。人能於中一心制意。端身正行独作諸善。不為衆悪者。身独度脱。獲其福徳度世上天泥洹之道。是為二大善也」